絵本:ワンワンワン

ラブペ

2012年02月16日 19:11

この本は、犬好きな人はもちろん、これから動物を飼おうとしている家族や、犬飼いたいよぅ飼いたいよぅと言っている小さなお子さんに読んで欲しい本です。

ワンワンワン―捨て犬たちの小さなおはなし


とってもかわいらしい表紙、ワンワンワンというかわいいタイトル、しかしその後には「捨て犬たちの小さなおはなし」というサブタイトルがついています。

そうです、この本は捨てられた犬のお話です。

表紙に載っている3匹、チビちゃん・リリィちゃん・そして名無しのワンコ、それぞれがそれぞれの理由で保健所に持ち込まれ、そして新しい家族にめぐり逢う話が犬の言葉で語られます。



一つ一つのお話はとても短く、文字も少ないのですが、その少ない中から犬の気持ちがグイグイ胸に突き刺さり、とても苦しく切ない気持ちになります。



犬はけなげで素直で純粋で、それなのにこの真っ直ぐな生き物に100%の力で応えてあげられない人間の愚かさというか冷たさというか、なんというか罪悪感のようなもので胸が締め付けられます。




それにしても、犬を「捨てる」ってすごい言葉ですよね。

生きているものを「捨てる」。犬だけじゃありません。ネコでもフェレットでもカメでもヘビでも。

それまで毎日人間と一緒に暮らして、人間からご飯をもらって外敵のいない安全なところでのんびり暮らしていた生活を全てなくしていきなり一人で生きて行けと放り出す。

人間の社会は動物に対して寛容ではありませんから、その辺に食べ物は落ちていない、犬の場合ウロウロ歩いていたら保健所に捕まります。
安心して眠れる温かい場所も柔らかい毛布ももうありません。


放り出す人もいれば中には自分で飼っていた子をこの絵本のように保健所に連れて行く人もいます。

同じく「捨てる」ことです。

保健所は飼い主さんによって連れて来られた子は1、2日くらいで殺してしまうそうです。
迷い犬と違って飼い主さんが現れるのを待つ猶予はありません。

保健所に動物を連れ込む人は、里親さん探しの場とでも勘違いしていないでしょうか。

この絵本では新しい家族に出会えるわけですが、実際はそんなラッキーなことはほとんどないでしょう。

保健所に連れて行くということは、「殺して下さい」とお願いしに行くことなのですが、たまにわかっていない人に出会うことがあり戸惑います。

年をとったから、病気になったから、新しいペットを飼ったから、そのような理由で自分の家族を「殺して下さい」と連れて行く。

家族に裏切られ「捨てられ」た動物たちは、そのとき何を思っているのでしょうか。




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